平成25年7月30日  人生を考える(10) 逆境と応戦・挑戦

十数年前、或る青年が一人乗りヨットで太平洋横断を試み、不幸にも嵐に遭遇し、ヨットは沈没し25日間救命ボートで漂流していたところを偶然にも通りかかった汽船に救助されたという新聞記事がありました。
その青年はわずかばかりの乾パン、氷砂糖など非常食と水は尽きてしまって、救命ボートに羽を休めに来たカモメなどをを捕えて食べ、スコールの雨や自分の小便まで飲んで飢えをしのぎました。 
体温を保つため、救命ボートにひざをかかえて座ったままだったため、助けられた時には立ち上がることもできない程両足の筋肉が萎縮してしまい、長期にリハビリが必要だったといいます。
これをみても我々の体も使わなければすぐ退化していくことがわかります。
われわれの頭脳は約50億の細胞から成り立っており、通常15%位しか使用せずに終わるそうです。
心理学者のウイリアム・ジェームスという人は自分の潜在的能力の10%以上を実現している人には出会ったことがない。と述べています。

人間は子供も頃からさまざまな試練に会います。
たとえば試験とか勉強とかスポーツの試合とか病気とか、いろいろなその人なりの苦しい事柄に遭遇し、この苦しい体験に挑戦・応戦することによって、人間として成長していく・・・そのように、神様がわれわれ人間を造ってくれている、と云ってもいいでしょう。
だから、こうした人生の逆境に逃げてばかりいれば、どうしても弱い消極的な人間になってしまいます。

私たちは自分の人生を有意義たらしめるには、自分の中に眠っている潜在能力を引き出させる必要があります。
それには常に逆境の立ち向かう応戦と挑戦の意欲が必要です。

おかもとまさよしさんというメンタルトレーナーはPHP雑誌に「物事は必ず好転する」という次のような文を寄稿されているので紹介させていただきます。


私はメンタル・トレーナーとしてアスリートのサポートをしています。彼らがより強くなろうとする時や、より優れたテクニックを身につけようとする時、ほとんど例外なく、スランプという逆境を体験します。でも迷い悩み、もがき苦しむ中、彼らはある時フッと答えを見つけます。スランプ中に十分に蓄えたエネルギーが、それを可能にするわけです。
その結果スランプを脱し、見違えるような能力を発揮するようになりのです。
誰の中にも眠っている潜在能力を呼び起こすには、逆境を経験することが必要だと私は思います。
では、どうすれば逆境をプラスに転じることができるでしょうか。それにはまず明確な「目標」をたてることが大切です。
逆境の中で自滅してしまう人は、目標を見失っているケースが多いようです。目標がなければ努力する必要もなく、一見ラクな生き方のように思えます。しかし心の中は満たされません。このままでいいはずはない! という得体の知れない不安をかかえたまま堂々巡りをするだけ。これでは結局エネルギーの浪費になってしまいます。
また、実現への道筋も見えない夢をいつまでも追い続けるのも、膨大なエネルギーを消費します。良く「今の自分は本当の自分ではない」「どこかに本当の居場所があるはずだ」と口にする人がいますが、これは夢を追っているようでいて、実は今の自分を否定しているにすぎません。今の自分に不満を抱いたまま荒唐無稽な夢を追い続けても、事態は好転しないのです。
そこで提案です。まず「三年後の自分は何をしていたいのか」と具体的な目標を立ててみることです。その目標を実現するために、「一年後に何をしていればいいのか」「半年後にはどこまでやっておけばいいのか」「一か月後には?」「一週間後には?」・・・と考えていくと、今の自分がやるべきことがおのずと見えてきます。今できることをやらなければ、未来の自分にはつながらないのです。
ただし、第一歩目からおおげさなことをやる必要はありません。小さなことから始めて、満足感や達成感を少しずつ積み重ねれば、それが大きなエネルギーとなり、やがて大きな目標へとつながっていくでしょう。


この目標へと突き進む具体的な力となるのが “イメージ力” です。アスリートたちもイメージトレーニングを行うことによって、自分の中に眠っている力を最大限に引き出すことに成功しています。

イメージ力には大きく分けて二種類あります。
一つは「体感イメージ」。目の前にある逆境を切り抜けたい時、五感を使って、過去の成功体験をイメージするのです。たとえばプロゴルファーは極度の緊張を強いられる重要なショットの前に、過去に体験した最高のスイングをイメージする人が多いと言います。その時にギャラリーのざわめきや気温や湿度、風のにおいや空の青さなどを、五感を働かせてイメージする。するとグリップの握り方やバックスイングの角度なども、その時のベストの状態を自然に再現することができるのです。

そしてもう一つが「客観イメージ」。逆境におかれている自分自身を客観的に観察して、その上で冷静に分析するのです。同じゴルフの例で言えば、ミスショットをしてしまった直後に、「この角度でスイングしたから失敗した。失敗しないためにはこうすべきだった。」といった具合です。
失敗を失敗に終わらせず、次へのステップとして利用する。つまり逆境からどれだけ多くのことを学べるかが、成功へのカギになるわけです。

体感イメージと客感イメージをうまく使えば、今時分がどうすればいいのか、どうすれば目標に近づけるのかがわかってくるはずです。イメージ力を自在に操れるようになれば、今まで自分でも気づかなかった潜在能力をも目覚めさせることができるでしょう。

具体的な目標を立てて、イメージ力を十分に活用すれば、たとえ逆境に立たされても、どんな困難が襲ってこようとも、決して恐れることはありません。
むしろ、失敗の分だけ多くのことが学べ、逆境に立たされることで飛躍のチャンスも広がるのです。  
どうですか? 逆境というのも、なかなか捨てたものではないでしょう。




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