平成24年2月14日  シャングリラ

私達はシャングリラという言葉を聞いたことがあります。

調べてみると、イギリスの作家ジェームス・ヒルトンが1939年に出版した小説「失われた地平線」の中に出てきた理想郷であり、チベットのシャンバラという場所をモデルにしているという。シャングリラに住む人は普通の人よりはるかに長生きする。ヒマラヤの奥地のミステリアスな永遠の楽園、外界から隔絶された地上の楽園という意味の語になった。とあります。
当時大きな戦争を引き起こす、暗い不安に覆われた世相に、この小説は大反響を呼び、ベストセラーになったと聞いています。
それを後に映画化し、戦争に疲弊していた戦後の人々にまた大変な反響を呼んだとのことです。
たまたま、その映画ビデオを観ましたのであらすじを紹介させていただきます。





「戦争が噂されていた頃、君は夢見たことがあるかい? 生きることが喜びであるような平和で安全な土地を・・・無論あるだろう。昔から誰もが夢みたことだ。強欲と争いがうずまいていない、思いやりにあふれ、平和で若さの泉にあふれているような楽園を・・・そんな夢にような場所を見つけた男がいる。男の名はロバート・コンウェイというイギリスの外交官だ。この物語は大戦前夜の中国バスタルに始まる。」

「有能な外交官コンウェイは、かねがね戦争のない平和な世界に強いあこがれを抱いていた。」

「コンウェイは大戦前夜の中国に滞在している欧米人を救出するため、当地に派遣された。1935年3月10日夜。バスタルの飛行場で次々と来る救援飛行機に欧米人を送り出し、最後の飛行機にコンウェイや彼の弟など5人が乗り込み脱出する。」

「飛行機の中で夜が明け、上海に向けて東へ向っているはずの飛行機が日の出を背に西に向っていることに気付く。パイロットをよく見ると中国人かモンゴル人のような顔つきをした男が操縦しているではないか! ハイジャックされたことに気付く。」

「やがて飛行機はヒマラヤ山脈中腹に不時着してしまう。不時着のショックで正体不明のハイジャックパイロットは死んでしまう。」

「数日間、飢えと寒さをしのぎながら洞穴で過ごしていると、どこからともなくチベット民族のような部族に出会い、案内してくれる。厚い氷河が阻む峻険な山々や嵐が吹き荒れる渓谷を越え、雪渓をよじ登り一行の行く道は困難を極めた。疲労で朦朧としている一行に、峠の彼方に一筋の道が現れた。朦朧とした目を凝らしてみると、峠から谷間に下る一筋の道の向こう側に、明るく温かい光にあふれた村が広がっていた。」

「その頃、イギリスではコンウェイの乗った飛行機が行方不明になったと、大騒ぎしていた。」

「やがてコンウェイ一行はその村に迎えられ、大歓待を受ける。そこは人口2000人、周囲は高い山々に囲まれた盆地であり、野には花が咲き乱れ、蝶が飛び交い、鳥がさえずり、リスなど小動物が自由に行き来している。お城のような豪華な建造物が並んでいる。そこに一行は案内される。うら若い乙女がピアノを奏でている。夢だ!。」

「やがてそこの主とも云うべきラマ教の高僧・チャンの接待を受ける。そしてここが人間の究極に求めてきた不老不死の桃源郷・シャングリラだと教えられる。ここは1713年ベルギー人である超人的なペロー神父が凍死寸前で現われ、108歳で完成させたところだ。ここは気候温暖で水が良く、人々は節食し、争いもないから皆長生きしている。」

「コンウェイはチャンに私はここの生活環境に満足しているが、他の同僚が早く帰りたがっている。何とかシェルパを雇って欲しいと懇願する。チャンはそれではある人物に会って欲しいと言われ案内される。その人に会って、良く見ると200年も以前に凍傷で足を切断して、この地たどりついてシャングリラを建設したと教えられたペロー神父であり、今も生きているのに驚かされる。」

「ペロー神父はコンウェイに、君の書いた著書の中の言葉に感心している。『どんな人間にも永遠を垣間見る瞬間が人間にはある。』という言葉、特にピアノの若い女性はそれに感動し、是非シャングリラに招いて下さいと懇願された。このシャングリラの繁栄を保つには君のような人間が必要なんだ。是非この地に留まって私の後継者になって欲しいと云われる。」

「君が帰って活躍したとしても20年位だ。ここでは君はまだ幼年だ。ここでは驚くほど活躍の場があるし、長生きできる。」「私は長寿には興味ありません。一体人生に目的はありますか? 目的がないのなら長寿も意味がないのでは? 長生きしたいというのならそれなりの理由が必要です。」「我々には理由があります。それこそシャングリラの目標です。」「わたしはかって夢を見ました。ずっとずっと昔に・・・。あらゆる国家が強力になる夢を・・・。それは知的ではなく俗悪な情熱と破壊欲においてだ。機械がパワーを増し一人の兵士が軍隊に匹敵するようになり、人が殺しのテクニックを楽しむようになり、世界の遺産も破壊されていく夢をだ。」

「今日の世界はいたましい限りだ。何という無謀、何という妄信。無知な指導者たち。貪欲さと残忍さという熱病に取りつかれている。残忍さと権力欲が自らの刃で滅びなければ・・・。その時に備えて私は生きながらえているのです。君を招いたのはその日のために世界は新しい世界を探し始めなければならないからだ。」

「誰もが求めている。美と安楽の地に気高く生きられることを。」

「ここシャングリラの世界は簡単な規則に基づいている。『人に親切にせよ』だ。シャングリラの友愛が世界に広がるよう我々は望んでいる。強者がお互いを滅ぼした時、人間らしい倫理ができ、温和な人々がこの地球を受け継ぐのだ。」
「我々の君にゆだねる社会はむつかしいものではない。何故なら我々の世界はおだやかな規則だけだ。シャングリラの夢と未来は君に委ねたい。」

「ロバート・コンウェイは年老いた神父の前でひざまずき、神父の後を継ぐことを誓う。」

「一方コンウェイの弟ジョージは早く文明社会に帰りたいと言い張る。そしてここでできたマリアという恋人と文明社会に帰るため豊富にある金塊を盗んでシェルパを雇う。このマリアも1888年にシャングリラに来たときは20歳だった。今も20歳で年取っていない。シャングリラでは永遠に若さを保つことができる。」

「弟ジョージは他の仲間4人に一緒に脱出しようと誘う。他の仲間はもうすっかりシャングリラに馴染んで、ある者は学校教師、ある者は水道管の設置指揮などで忙しくここに留まるという。」

「弟ジョージは終に雇ったシェルパとマリアを伴って脱出する。兄のロバート・コンウェイは見かねて、途中まで同道することにした。」

「険しい氷雪山は彼等には過酷すぎた。マリアはもう歩けない、という。仕方なく猛吹雪の中ジョージは彼女を背負って進んで行く。」

「おい! ジョージお前の背負っている女性は死んだ老婆だぞ! と兄は叫ぶ。」

「ジョージはおもむろに背負っていた彼女を降ろし、見た。」

「ワーッ! と叫びながらジョージは奈落の底に飛び込んでいった。」

「ロバート・コンウェイは一人シャングリラに戻るべくチベット山脈を歩き続ける。しかし雪崩に逢い谷底で気を失ってしまう。奇跡的にチベット土着民族に救出される。そしてコンウェイは英国に帰国送還させられる。」

「英国政界やマスコミは大騒動になる。コンウェイは記憶喪失のように黙して語らない。やがて英国から脱出してチベット高原へ一人向い、シャングリラにたどり着く。」

「君はシャングリラを信じるかい?俺は信じたいから信じるんだ!」「コンウェイにのシャングリラに乾杯!皆各人のシャングリラに乾杯!」

 - おわり -





ちょっと浮世離れして合理性に欠ける場面もありますが、誰もが求める不老不死の桃源郷・シャングリラ。考えさせられることが多い映画でした。

主演:ロバート・コンウェイ役  ロナルド・コールマン

結局最後の「皆さん、各人のシャングリラに乾杯!!」でしょうか?



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