平成22年5月15日  スペイン旅行記 平成21年10月

少し以前にさかのぼりますが、平成17年の慢性硬膜血腫発病大手術以来4年経過、ようやく体調回復し、久しぶりに家内と海外旅行を試みました。行き先はスペインでした。

10月1日バルセロナに到着。
バルセロナはスペイン経済の中心をなすスペイン第2の都市にて、特に名建築設計家アントニオ・ガウディゆかりの都市です。ガウディ設計の建築物多々ある中、世界遺産登録のサクラダ大聖堂は特に圧巻です。1882年着工後1891年よりガウディが建築総責任者を引き継ぎいだと言い、ガウディ死後も建築が続けられ、完成には尚百年近き年月を要すと云われています。イエスとマリアを表わすという百七十メートルと百五十メートルの巨大なる塔を中心にイエスの降誕、受難、栄光からなる三つのフェザード及び使徒を意味する四基の塔をもってすべて完成とのことです。とにかく巨大な大聖堂です。現在も建築中です。


 
ガウディの 遺志(こころ)つたへむ 次の代に 匠ら槌音 けふもこだます


ガウディの関わった建造物としてグエル公園を見学する。ガウディは理想の街作りを目指すも、分譲販売に失敗し、心ならずも公園に転用したとのことです。


 
ガウディの 想ひ実らぬ 公園に 遠きに聞こゆ ギターの音色


バスにて地中海沿ひにスペイン第三の都市バレンシアに向かう。


 
はてしなき あれのにのこる ひとむらの まつのはやしに たいこしのばる


この国も太古は森林が覆い繁っていたとのこと。

 
バレンシア オレンジ畑は みどり濃く はるかに青き 地中海のうみ

 
バレンシア 岩肌つづく 道沿ひに オレンジ畑の みどり映えいる

10月2日バレンシアの町観光。
肥沃な土地に灌漑施設が充実した地域で、米、果実の栽培盛んであり、一方製紙・化学・繊維・造船などの工業も立地している。また歴史的建造物も多いと聞く。かつて絹取引所に使用されていたゴシック建築の世界遺産ラ・ロンハおよびカテドラル見学。


 
イスラムの 色濃く残る 聖堂の ステンドグラスに 朝の日のさす


10月3日トレドへ。
エルグレコが後半生を過ごしたという世界遺産の古都です。エルグレコの傑作絵画「オルガス伯爵の埋葬」(サント・トメ教会)鑑賞。

スペインの首都・マドリッドへ。
世界三大美術館の一つ・プラド美術館見学。スペイン王家により収集された膨大な絵画を所蔵している。ゴヤの2枚の「マハ」、ベラスケスの「プレダの開城」をはじめギリシャ出身のエルグレコや、リベラ、スルバラン、ムリーリョなどのスペイン絵画、ロヒール・ファン・デル・ワイデンの「十字架降誕」、ボスの「快楽の園」、ルーベンスなどのフランドル派絵画、ティツィアーノなどベネチア派イタリア絵画な名品がいっぱい所蔵展示され私たちを魅了。とても時間が足りない。

ゴヤ以降印象派に至るスペイン絵画を分離展示している近くのソフィア王妃芸術センター訪問。ここもゴヤ、ピカソの絵画中心に多数の魅力的な絵画が展示されている。特に1937年スペイン内戦中ナチスドイツ軍がゲルニカの町を爆撃した祖国の惨状と爆撃に対する怒りを描いたピカソの大作「ゲルニカ」鑑賞。この作品は当初ニューヨーク近代美術館に展示されていたがピカソの遺言により当センターに移管展示されている。当初は防弾ガラス越しであったが、今は間近で見ることができるようになったとのこと。


 
ゲルニカに 描かれしひと 弱きかな 苦悩の顔に われも顔ゆがむ

 
戦争の 弱者描きし ゲルニカに ピカソの怒り ピカソの涙

 
画くほどに 怒りこみ上ぐ 絵師ピカソ われ観るほどに 悲しみやまず


10月5日、スペイン新幹線AVEにてコルドバへ。
世界遺産都市コルドバは紀元前2世紀、ローマ帝国の統治植民地から発展し、8世紀半ばから11世紀初めはイスラム王朝、後ウマイヤ王朝時代の首都として栄華を極めた都市とのこと。地中海貿易を独占し、学問芸術の中心都市として栄えたという。ここの代表建築物メスキータ見学。当初のイスラム教殿堂建築様式と後にカトリック教会に転用された二つの様式が混在する壮大なる建築物である。


 
せんぼんの まるきはしらに てをふれば イスラムびとの なみだおもほゆ

 
あのセネカ すみにしみやこ コルドバを われみわたせば あきのかぜわたる


コルドバのユダヤ人街を歩く。


 
ユダヤびと すむとふまちの ろじうらで わかきらギターで つどひうたへり


コルドバの街も予想以上に広い。


 
コルドバを 歩きあるきて 疲れ果て バスに帰りて うつらうつらす


バスはグラナダへひた走る。

アンダルシア地方の中心都市グラナダはスペイン最後のイスラム王朝・ナスル王国が築かれた町とのこと。13世紀初頭より1492年キリスト教によるグラナダ陥落までの2世紀半、ナスル王朝の政治・経済・文化の中心都市として繁栄を極めたという。

夕食後アルハンブラ宮殿の夜景を見に行く。


 
このまちも はげしきあらそい ありしとふ とほくにうかぶ まんげつのしろ

 
まんげつの いしのさかみち あるききて ゆめまぼろしか アルハンブラみゆ


フラメンコ見学。
フラメンコは当地アンダルシア地方のジプシー舞踊音楽が起源と聞く。ジプシーは洞窟を住処としていたらしい。本場の本場とも言うべき洞窟の中のフラメンコ・ショーを鑑賞。洞窟の中のフラメンコは歌声・手拍子・靴音・ギターが共鳴し合い迫力満点。出演者はジプシーというが真偽は知るべくもない。


 
洞窟の 奥の深きに 踊り子は 靴音鳴らし フラメンコ歌ふ


翌朝よりアルハンブラ宮殿を見学。
さすがに美しい調和のとれた宮殿である。


 
ここかしこ アラビア模様 うつくしく アルハンブラの きさきらのへや


バスにて渓谷の上にある中世の街ロンダへ。


 
へミングウエイ 住みにし家は 断崖に その下に舞う 二羽の黒鳥


スペインで最も古いといわれる闘牛場を見学。ここロンダでは修道院を改装したホテル・パラドールに宿泊。

翌朝よりバスでセビーリャ(セビリア)の街見学。セビーリャはスペイン第四、アンダルシア地方最大の都市で、「セビリアの理髪師」、「カルメン」、「フィガロの結婚」の舞台となった都市として有名である。オリーヴ油やワインの製造など盛んで、アンダルシア地方の交易の中心地となっている。ヒラルダの塔や黄金の塔、さらに世界で三番目に大きい大聖堂を見学。

その後バスはポルトガルに向かう。


 
いちめんの あれのにうえし オリーヴの みどりはくすみて おもむきもなし


ポルトガルに入り、世界遺産エヴォラの街を見学。
ダイアナ神殿の遺跡や聖堂・鐘楼があった。首都リスボンに入り宿泊。

翌朝よりポルトガルのベルサイユ宮殿といわれるケルース宮殿見学。

壮大な白亜の大建築物で世界遺産のジェロモニス修道院見学。
ポルトガルが海外に躍進した16世紀初頭に建築された大修道院で、天井の高い、装飾の美しい建物である。ポルトガルに巨万の富をもたらしたバスコ・ダ・ガマの墓が当時の王の墓と並んである。

夜にはリスボンで最高級といわれるレストランでポルトガル女性歌手が哀愁帯びて歌うファドを聴きながらポルトガル料理を賞味しました。


 
恋想ふ 夫をまちわぶ ファド歌を わが妻と聴く リスボンの夜


さらにリスボンに連泊し翌朝帰国の途につきました。


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