平成22年3月16日  太陽光発電について

最近、地球上炭酸ガス削減問題から太陽光発電が脚光を浴びています。私たち住宅建築に従事する者として、今後太陽光発電が進化を続けるのか、あるいは価格が安くなるのか、正しく認識し、お客様の判断材料を収集していきたいと考えております。



さて、光のエネルギーが電気エネルギーに変換できることは随分古くから知られてい
たようです。
中学生の頃、鉄の極く薄い板と銅の極く薄い板を張り合わせた薄板の銅板側に太陽の光を当てるとわずかですが電流が流れることを習った記憶があります。
また、同様にセレニウム(セレン)と鉄の薄板を張り合わせ、セレニウム(セレン)側に太陽光を照射すると電流が流れます。
さらにシリコンやゲルマニウムの極く薄い板を重ねて太陽光を当てるとより多くの電
気エネルギーが得られることから研究が進み、シリコンその他を用いた太陽光発電が実用化される時代に入ってきました。
太陽光発電は光を当てる面はN型シリコン、裏面はP型シリコンという積層構造の半導体で構成されています。厚みは約200〜300μmという極く薄い板状のものらしいです。この半導体に光が当たると電気が発生するしくみになっています。

もう少し詳しく申し上げますと、
太陽電池の表面に一定以上の強さの光が入射すると、その光子がシリコン原子の電子と衝突し、電子は結晶からはじき出され、自由な電子(一)となります。電子の抜けた原子は(+)の電荷を持った正孔(ホール)となります。電子はN型シリコンに集まり、正孔はP型シリコンに集まります。光の当たる面をマイナス電極とし、裏面をプラス電極にして負荷回路を接続すれば、N型シリコン裏面(マイナス電極)からP型シリコン(プラス電極)に外部回路を通して電子が流れます。電流はその逆方向です。光が当たり、負荷がつながれていれば電流は流れ続けます。これが太陽光発電の原理、ということです。

太陽光発電(太陽電池)の材料は、シリコンに代表される半導体を使うものがほとんどです。半導体は電子機器のLSI(大規模集積回路)や IC、パソコンのCPU等に使われており、現代のエレクトロニクス産業に欠かせない重要な材料です。
シリコンは日本名でケイ素と呼ばれる元素です。地殻内では酸素に次いで2番目に多い元素とされています。自然界では単体で存在せず、Si02ケイソウ土として地球上にはいくらでも存在します。
混在率が高い場所はカリフォルニアやドイツの泥炭地域。日本では日本海油田地帯や中部地方以西の湖成層に産出されます。これらの材料の酸素を取り除き(アルミニウムやマグネシウムで、工業的にはコークスにより還元)純度を高めたものが半導体産業で使われるシリコン原料です。

このシリコン原料を単結晶化し、薄くスライスしたものが、一般に《ウエハ》と呼ばれています。《ウエハ》に必要な発電層や電極等を作りこんだものを《セル》と呼び、太陽電池の基本単位となっています。この《セル》を配置し、屋外で利用できるように強化ガラスで表面を覆い、パッケージ化したものを《モジュール》と呼んでいます。《モジュール》を複数枚、直列あるいは並列に屋根などに並べたものを《アレイ》と呼んでます。



家庭用太陽光発電については京セラシャープ三洋大阪ガスなど各メーカーのホームページに評しく説明されています。

一般家庭では通常3〜3.5kwの太陽電池が設置されます。現在価格は1kw65万円ですので3kwを改置すると205万円設置費用がかかります。
これに対する補助金は経済産業省の外郭団体J-PECからkw当たり7万円補助が出ます。
他に地方自治体から例えば西宮市では最高10万円の補助が出るようです。
年間の出力電気量はメーカーによって差はあるものの、概ね出力の1000倍、3kwでは年間3000kw発電することになります。

電力会社への家庭からの売電はkw48円(現在一般家庭の電力代はkw当たり24円)。
従って3kwの太陽光発電を設置すると、設置費用205万円、補助がkw当たり7万円で21万円。それに地方自治体からの補助金最高10万円を差し引くと設置費用174万円。
電力会社への売電年間3000kw × 48円 = 147,000円が売電金額です。
従って174万円の設備で毎年147,000円の売上、11年10ケ月で償却できることになります。

さて、一般家庭で今現在取り付けた方が得なのかどうか? もう少し待った方がいいのか? 議論の分かれるところです。
現状各メーカーとも2〜3ケ月の受注残を抱えているようです。

現在、各メーカーは10年の品質保証をつけて販売しております。
最近では設置後4〜5年で有償(20,000円)の定期点検を実施することとしているようです。
今後政府は太陽光電池のコストを1/2に引き下げる目標を掲げているようです。
また現在シリコンを強化ガラスで覆っていますが、これが重量もあり高コストの一因
とも言われ、各メーカーは低価格の軽量化された樹脂、フィルムなどの開発を急いで
います。
強化ガラスは、15年の耐用年数を謳っていますが、実際には強い太陽に照らされている面が長い年月に耐え得るかどうか、疑問の残るところでもあります。
今後、設備コストを引き下げるか、電力会社への売電価格を引き上げるなどにより、償却期間の短縮をはかることが待たれています。


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